「新精漆」、漆の美しさや感性は維持したままに、乾燥性や作業性を高めるために新しい漆の精製技術により開発された塗料です。
新精漆の特徴
漆の美しさと感性は現在でも多くの人を魅了しますが、その塗装と乾燥の管理には独特の技術が必要になります。
このような背景のもと、カシュー株式会社では、天然漆の酵素反応による硬化のメカニズムを究明するとともにこれまでに蓄積した化学技術を結集し、新しい漆の精製技術を開発しました。
カシュー「新精漆」は漆の主成分として、この新たな精製技術により、乾燥性や作業性を高めた塗料です。
「新精漆」は、「合成漆」「人工漆」と呼ばれることもありますが、 メーカーや当社では「新精漆」という呼び名で統一しています。
また、カシュー「新精漆」には、3種類の製品ラインナップがあり、漆の含有量や肉持感、また乾燥性や作業性により使い分け頂くことができます。
新精漆商品リスト
新精漆 黎光(れいこう)
天然漆を最新の高性能分散技術によって精製した製品で、漆の含有量の大きい、新しい精製漆です。
新精漆 黎光の特徴
- 乾燥性:指触乾燥が早いため、希釈するだけで吹付け塗装ができる
- 無油光沢性:上朱合、上黒などは高光沢だが、油浮きがない
- ちぢみ防止性:速乾性のわりにちぢみが少ない
- 相溶性:市販の新精漆と任意の割合で混合できる
- 任意の色、艶に調色可能である
- 塗装作業性:吹付け及び刷毛塗装が可能
新精漆 黎光の内容
- 容量:2kg、4kg
新精漆 旭光(きょっこう)
酵素(ラッカーゼ)の酸化とポリイソシアネートの化学反応により完全硬化する新しい漆です。
塗料の形態は2液性(基剤と促進剤)になっており、基剤のみでも漆室に入れて乾燥しますが、促進剤と混合するとさらに反応が促進され、堅い塗膜を形成する仕組みになっています。
新精漆 旭光の特徴
- 乾燥性:速乾型で指触乾燥が早く、吹付け塗装の「ダレ」もほとんどない
- 高感性:漆の感性をもった肉持ち感のある優れた塗膜となる
- 耐すり傷性:乾燥塗膜の耐すり傷性に優れている
- 付着性:油性塗料、ポリウレタン樹脂塗料に対する付着性に優れている
- ちぢみ防止性:極端な厚塗り以外、ちぢむことがない
- 加飾性:漆による蒔絵、箔押し、沈金、呂色仕上げが可能
新精漆 旭光の内容
- A液(基剤)とB液(促進剤)の割合:2:1
- 容量:3kgセット、6kgセット
新精漆 輝光(きこう)
精製漆で変性した特殊なポリオートとポリイソシアネートの反応によって硬化する、漆変性ポリウレタン樹脂塗料です。
特に、空気中のわずかな水分で酵素酸化が起こり、ウレタン反応との相乗作用で乾燥するよう設定されています。
また、GLポリマーの混合により各種のプラスチック素地やガラスにも付着させることが可能です。
(但し、実際の使用前に、素材との密着テストを十分に実施することをおすすめします。)
新精漆 輝光の特徴
- 速硬化性:速乾性で指触乾燥が早く、肉持ち、光沢が良い塗膜が得られる
- 量産性:常温(常湿)で硬化するので、ライン塗装が可能
- 鮮鋭性:漆にも似た高級感仕上げになる
- 耐候性:紫外線による光沢の劣化が少ない
- 耐熱湿性:熱湯を掛けても、塗膜の変化がない
・新精漆 輝光の内容
- A液(基剤)とB液(促進剤)の割合:2:1
- 容量: 1.5kgセット、3kgセット、6kgセット、24kgセット