カシュー塗料(自然乾燥)

油性漆塗料カシュー(自然乾燥)は、カシュー株式会社が1948年に発明し、特許を取得した、漆系の合成樹脂塗料です。
当社は、その製品開発当初から一次販売代理店として、長きにわたりカシュー塗料の販売に携わってまいりました。

カシュー塗料の特徴

  1. 光沢がすばらしく、漆に近い優美な塗膜に仕上がる
  2. 塗膜が強靭で、しかも弾力性に富む
  3. 漆に比べ乾燥が早く、密着性が高く、耐久性、
    耐熱性、耐油性、耐溶剤性に優れる
  4. 一液性のため使用法も簡単で、刷け塗り、スプレー塗り、プロコーター塗装などができる

カシューナッツから抽出した成分を原料とするカシュー塗料は、その仕上がり感などが、漆に最も近い塗料として現在でも位置づけられています。
また漆に比べて塗装作業性が容易であることから、漆の代用的な塗料として幅広く活用されています。

カシュー塗料の用途

漆器(お盆など)、家具、建具、襖縁、仏壇仏具、扇子、楽器、神社仏閣の建物内部などの木製品全般

  • 食品衛生法適用外のため、お椀、お箸など直接口に触れる部分の塗装には向きません。

カシュー塗料
商品リスト

透明類

商品名 容量 特徴
No.48 ネオクリヤー 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg) 最も透明
No.51 クリヤー 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.52 淡透 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg) 透よりも淡色
No.53 透 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.54 紅溜 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg) 鮮明な仕上がり
宝大透 1、4、16(kg) 肉持ちがよく、低臭気
調整用透 1、4、16(kg) 不乾タイプ、乾燥調整用、
厚塗りなどのチヂミ防止用
特透 1、4、24(kg)
No.120 透 1、4、16(kg)
No.120 黄 1、5、20(kg)

黒類

商品名 容量 特徴
No.91 黒 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg) 標準品
No.101 濃黒 1、4、24(kg) 標準品の黒よりさらに隠ぺい力のあるタイプ
特黒 1、4、24(kg) 標準品より肉持感、光沢を向上
No.240 黒 4、16(kg) 最も肉持感あり。
特にフローコーター向で好塗膜。
宝大黒 4、16(kg) 肉持ちがよく、低臭気
Rブラック 4、16(kg) 仕上がり肌が良い
No.92 艶消黒 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg) 光沢度10~20 上塗り用
艶消黒 1、4、16(kg) ご要望により艶合わせ対応 上塗り用
本艶黒(各艶) 4、16(kg)
調整用黒 1、4、16(kg) 不乾タイプ、乾燥調整用、
厚塗りなどのチヂミ防止用

エナメル類

商品名 容量 特徴
No.55 クリーム 0.5、1、4、16(kg)
No.56 レモン 0.5、1、4、16(kg)
No.57 黄 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.58 濃黄 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.59 薄灰色 0.5、1、4、16(kg)
No.60 灰色 0.5、1、4、16(kg)
No.61 灰茶色 0.5、1、4、16(kg)
No.62 とび色 0.5、1、4、16(kg)
No.63 銀ねず 0.5、1、4、16(kg)
No.64 青ねず 0.5、1、4、16(kg)
No.65 ねずみ 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.66 濃ねず 0.5、1、4、16(kg)
No.67 みかん 0.5、1、4、16(kg)
No.68 だいだい 0.5、1、4、16(kg)
No.29 洗朱 0.5、1、4、16(kg)
No.69 朱 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.71 朱赤 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.37 本朱 0.5、1、4、16(kg)
No.70 緋 0.5、1、4、16(kg)
No.72 赤 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.73 鮮紅 0.5、1、4、16(kg)
No.74 紅 0.5、1、4、16(kg)
No.75 小豆 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.76 えび茶 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.77 ぶどう 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.78 濃褐 0.5、1、4、16(kg)
No.79 かば色 0.5、1、4、16(kg)
No.80 たいしゃ 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.81 黄褐 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.82 こげ茶 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.83 若葉 0.5、1、4、16(kg)
No.84 緑 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.85 濃緑 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.86 オリーブ 0.5、1、4、16(kg)
No.87 あさぎ 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.88 青 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.89 なす紺 0.5、1、4、16(kg)
No.90 紺 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
No.11 うるみ 0.5、1、4、16(kg)
No.38 うるみ 0.5、1、4、16(kg)
No.49 銀 0.5、1、4、16(kg)
No.50 白 1/12(L)、0.5、1、4、16(kg)
  • 鉛を含まない、無鉛タイプも製造可能

下地類

商品名 容量 特徴
下地1号 0.75、1.5、6、20(kg)
下地2号 0.75、1.5、6、20(kg) 厚塗り可能
黒下地 0.75、1.5、6、20(kg) ヘラ付用
漆器用下地(吹付用)黒 5、20(kg) 漆器製品全般 ヘラ付用
漆器用下地(吹付用)薄茶 6、20(kg) 漆器製品全般 ヘラ付用
漆器用下地(ヘラ用)黒 0.75、1.5、6、20(kg) 漆器製品全般 吹付用
漆器用下地(ヘラ用)薄茶 0.75、1.5、6、20(kg) 漆器製品全般 吹付用
黒サーフェーサー 0.75、1.5、6、20(kg)
白サーフェーサー 5、20(kg)
グレーサーフェーサー 0.75、1.5、6、20(kg)
No.4黒サーフェーサー 1.5、5、20(kg) 上塗りの吸い込み少ない
No.5黒サーフェーサー 5、20(kg) 作業性、研摩性が良い
No.31白サーフェーサー 5、20(kg) 乾燥が早い、
上塗りにウレタン塗装可能
No.31黄色サーフェーサー 1.5、5、20(kg) 乾燥が早い、
上塗りにウレタン塗装可能
プライマー赤錆 1.5、6、20(kg) 鉄製品の下塗り用
No.40黒パテ 20(kg)
箔下 黒 0.5、1、4、16(kg)
箔下 透 0.5、1、4、16(kg)

その他

商品名 容量 特徴
<その他>
#1500刷毛用シンナー 1、4、16(L)
#1300吹付用シンナー 0.3、1、4、16(L)
木工用シーラー 16(L)
艶消剤 0.5、1、4、16(kg)
ドライヤー 0.5、1、4、16(kg) 乾燥促進剤
硬化促進剤 0.8、3.5、16(kg)
調整剤 1、3、16(kg)
レベリング剤 3.5、14(kg)
カシュ―

カシュ-色見本

  • カシュー塗料は丸缶入り、シンナー/うすめ液等は四角缶入り。
  • 容量・色によっては在庫がない場合もございます。まずはお問い合わせください。
    お電話ならTEL: 075-361-5281
  • 実際の塗料を使用した「カシュー見本帳」は、有料にてお買い求め頂けます 。御入用の方は、こちらからお問い合わせください。
    また簡易的に、pdfにてご確認いただけますので、ダウンロードください。

カシュー塗料の基礎知識

文政年間の創業、”漆のエキスパート”井助商店。そして、カシュー塗料(自然乾燥)についても、販売当時から1次販売代理店として努めさせて頂いております。
こちらのページでは、カシュー塗料の基礎知識を掲載しています。ぜひご一読ください。
(カシュー株式会社 「油性漆塗料カシュー」カタログより抜粋)

「カシュー塗料」とは?

カシュー塗料(自然乾燥)は、1948年(昭和23年)にカシュー株式会社が発明し、特許を取得した漆系の合成樹脂塗料です。

漆の塗りものは、日本の伝統美を代表するものとして世界的に知られており、ふっくら感、しっとり感、深み感など、独特の感性で表現されています。
カシュー塗料は、漆に比べて塗装作業性が容易であり、仕上がり感も漆に最も近似した塗料として、日本の漆器工芸を支えています。漆器類はもちろん、仏壇・仏具、襖縁、雛具、高級家具、楽器、釣具など、美を追求されるあらゆる工芸品に、カシュー塗料は使用されています。また、神社仏閣などの建造物の屋内にも使用されており、その鮮映性と耐久性は、天然漆をしのぐ品質の高さを物語っています。

「カシュー塗料」の発明経緯

カシュー塗料(自然乾燥)は、主原料である「カシュー」(Cashew)にちなんで名付けられました。
1939年(昭和14年)、カシュー株式会社の初代社長 清水谷一郎氏が漆液の研究に関して渡米した際に、たまたま、漆に酷似したカシューナットシェル液を発見し、苦心研究の結果、漆よりも優秀な塗料を製造することの確信を得ました。直ちに米国の特許出願の手続きを取り、帰国後、カシューナットシェル液の大量輸入を計画しましたが、日中戦争、太平洋戦争と相次ぎ、戦前には輸入できませんでした。
戦後、さらに研究改良を試み、十数件にわたる日本での特許を取得するとともに、カシューナットシェル液の輸入も実現し、ここに、カシュー塗料が誕生しました。
弊社井助商店では、カシュー塗料販売当初から、1次販売代理店として、このカシュー塗料の販売を開始し、現在までずっと取り扱っています。

「カシュー塗料」の主原料について

カシュー塗料(自然乾燥)は、カシューナットシェル液(カシューナッツの殻から抽出される液)を蒸留精製して得られる「カルダノール」を主原料とし化学反応により3~10量体のプレポリマーを合成して乾燥性を持たせ、金属ドライヤーを混合して作られた、自然乾燥型の塗料です。

漆の木は、日本や中国、東南アジアなどで生育し、以前は日本各地で漆を生産したようですが、
現在では日本で使う漆の90%以上が中国から輸入されたものです。
日本産の漆は希少で価格も高い(中国産の5倍程度)ので、主に神社仏閣の補修などに使われています。

カシューナットシェル液の中には、二種類のフェノール同属体が含まれており、減圧蒸留することにより、カルダノールとカルドールに分離されます。
この成分は、漆の主成分であるウルシオールに類似した化学構造を持っているため、カシュー塗料は漆調の感性を実現することができるのです。
漆との違いは、漆の酵素反応とカシュー塗料の非酵素反応による感覚的価値観といえるでしょう。

カシュー

カシュー

カシューの塗装法については、下記でご確認いただけます。

カシューの塗装法はこちら