こちらでは、スクリーン紗に関して、よくお寄せいただくご質問と、その回答を掲載しております。
こちらに掲載されている内容以外にも、ご質問がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
Q1
スクリーン紗の素材には何が使用されていますか?
ポリエステル・ナイロン・ステンレス・ポリエチレン等が一般的ですが、その他の素材もございます。
Q2
スクリーン紗の各素材毎の特徴や用途を教えて下さい。
<ポリエステル>
代表的な素材で、品種の多さ・価格面で優位性があり、印刷精度もあり、各分野で広く利用されています。
<ナイロン>
インクの通過性が良く鮮明な印刷が可能で、版画やポスター等の広告宣伝用途に使用されます。
反面、伸縮巾が大きく精細度の必要な印刷には使用出来ません。
伸縮が大きい事を利用してビン、コップ、おわん等の円筒、円錐状の印刷に利用されています。
<ステンレス>
伸縮が少ないので精細度を要求される電子部品の印刷を中心に利用されています。
Q3
スクリーン紗は、使用する素材の違い以外にも、違いはあるのでしょうか?
代表的なポリエステル素材では、製織時の原糸の使い方で、3つに大別されています。
使用される原糸として、数本の糸を撚って1本の糸に仕上げたマルチフィラメント(以下、マルチ)と1本糸で仕上げたモノフィラメント(以下、モノ)の2種類があります。
また、製織時、経糸(たて糸)、緯糸(よこ糸)にそれぞれどの原糸を使用するかで、大きく下記のように分かれます。
- 経糸×緯糸⇒マルチ×マルチ (主なメッシュ:#60~90)
- 経糸×緯糸⇒モノ×マルチ (主なメッシュ#100~200)
- 経糸×緯糸⇒モノ×モノ (主なメッシュ:#36~500)
また、モノフィラメントは、原糸の太さ(線径)や特徴が違う数種類の原糸をご用意致しております。
Q4
原糸の種類ごとに、用途に違いはあるのですか?
厳密な使用区分はございませんが、下記のような使い分けが一般的にされています。
- 着物・ふろしき・手ぬぐい等や手染の布地は、主にマルチ×マルチ
- 綿やポリエステル素材の服地等の機械染の布地は、主にモノ×マルチ・モノ×モノ
- スクリーン印刷用途は、モノ×モノ
Q5
スクリーン紗を選定する際の注意点を教えて下さい。
選定のポイントは、求められるオープニング・インク透過体積等を勘案しながら、メッシュ数や線径(糸の太さ)を決定します。
オープニングやメッシュ数などの用語については、こちらをご覧下さい。
Q6
スクリーン印刷で、精細度のパターンを印刷する際の注意点を教えて下さい。
メッシュ数が小さい(目が粗い)と印刷パターンの輪郭にギャザが出やすくなりますので、精細度・線幅寸法精度が必要とされる場合にはメッシュ数の大きな(目が細かい)紗を使用しなければなりません。
現在の最高技術レベルでは50μm以下のライン印刷も可能となってきています。
Q7
インクにビーズの様な固形分を混入して印刷する場合の注意点を教えて下さい。
通常、固形分の最大粒径の2倍以上のオープニングが必要といわれています。
Q8
スクリーン印刷で、印刷塗膜を厚くする場合の注意点を教えて下さい。
塗膜を厚くしたい場合は紗の厚みを厚くします。すなわち線径の太いスクリーン紗を選定する必要があります。
塗膜を薄くしたい場合や塗膜のダレ幅を小さくしたい場合には、線径の細いスクリーン紗を選定します。
Q9
網点線数とメッシュ数の関連を教えて下さい。
理想的には網点線数の4倍のメッシュ数が必要です。例えば、50線/inchの網点表現の場合、理想のメッシュ数は#200メッシュとなります。しかし、モワレにも注意を払う必要があり、必ずしも4倍が最適である訳ではありません。
また、メッシュ数が高くなる程購入価格が高価になりますので、最低でも2倍以上のメッシュ数を確保し、モワレの発生しない最適なメッシュ数を選定しなければなりません。
Q10
スクリーン印刷用のスクリーン紗をその他の用途に転用する事は可能ですか?
均一な開口を有する事が一番の特徴であるスクリーン紗は、スクリーン印刷だけでなく気体のフィルター、液体の濾過布、固体/粉体のふるい用布等に利用されています。
また、ホテルでは客室用レースカーテンの代わりとしてご利用頂いております。
その他、農業用防虫網としての利用も広がっております。
Q11
その他の用途で利用する場合、注意しなければならない事はありますか?
スクリーン紗に使用している各原糸の性質を十分確認の上ご使用下さい。